日本とどう違う?海外での歯科治療事情を解説
2025/01/10
こんにちは。船堀(東京都江戸川区)の歯医者、ライフケアデンタルオフィスです。
国内の歯科治療と海外の歯科治療には、どのような違いがあるのでしょうか。
歯科治療の状況には、文化的な価値観、医療制度、経済状況などが影響しています。
アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スウェーデン、タイ、韓国、中国、ベトナム、オーストラリアのそれぞれの国で行われている歯科治療事情について解説します。
諸外国の歯科治療
アメリカ
アメリカでは医療全般において民間保険制度が適用されており、日本のような国民皆保険制度はないため、歯科治療のコストは高いことが特徴です。
例えば虫歯になり、かぶせ物をしたり、抜歯をしたりする必要があり、民間保険に入っていない場合には、10万円前後の費用を負担することになります。
そのような状況もあり、アメリカ国民の予防歯科の意識は高く、学校教育の中でフッ素の利用が奨励され、幼少の頃から虫歯予防に取り組んでいる人が多いという特徴があります。
イギリス
イギリスの国民保険サービス(NHS)は日本の健康保険と近しいサービスであり、一定の治療に関しては少ない自己負担額で受けることができます。
ただし、歯科診療に関しては基本的な治療以外は適用外となることが多く、複雑な治療や審美治療は全額自己負担となることが一般的です。
また、NHSを利用するには事前の予約が必要であり、受けられる医療機関が限られているため、クリニックへのアクセスや待ち時間が課題となっているケースもあります。
フランス
フランスでは、日本と同様に国民皆保険制度があり、一定の自己負担額で歯科治療を受けることができます。
ただし、補完的な保険に加入しなければ費用が高額になることが多く、特に入れ歯やかぶせ物など補綴治療は高額となるため、近隣の国で治療を受ける人もいます。
また、フランス人の多くは、歯の見た目や健康に強い関心を持っており、メンテナンスとして歯科を定期的に訪問する習慣があります。子どもたちへのフッ素塗布も広く行われており、虫歯予防が率先して進められています。
ドイツ
ドイツでは、健康保険制度がしっかりとしており、歯科においても基礎的な治療はほぼカバーされる仕組みとなっています。
しかし、インプラントや矯正治療、審美治療のような治療は全額自己負担になり、義歯には本数制限や年齢制限があります。
国民の多くは、デンタルセルフケアに対する意識が高く、ブラッシングやフロスが日々の生活に取り入れられ、定期的な歯科訪問も習慣化されています。
スウェーデン
スウェーデンでは公的保険が整備されており、歯科治療も例外ではありません。特に成人向けの基本的な治療や定期検診が、低価格で受けられる体制が整っています。
また、18歳未満の子どもには無料で歯科治療を受けさせることができるため、幼少期から十分な口腔ケアが行われています。
予防歯科に関する啓発活動も国家的に行われており、予防歯科先進国として知られています。
タイ
タイでは、日本のような健康保険制度がなく、口腔衛生に対する意識は高いといえないのが現状です。
しかし、だからといって歯科治療の質が劣っているというわけではなく、日本で受けるよりも低価格で歯科治療を受けることができます。
そのため、歯科治療を目的にタイを訪れる人もいます。
韓国
韓国は美容大国として知られており、歯科にもその文化が強く反映されています。
特にホワイトニングや矯正治療は、多くの人が率先して受けています。
また、専門的な技術を持つ歯科医師が多くいることも特徴です。
矯正治療に関しては、子どものうちから始めることが一般的であり、歯並びの良さが社会的な評価にもつながるため、重要視される傾向があります。
中国
中国では、都市と農村で医療の質やアクセスのしやすさに大きな差があるのが現状です。
都市部では専門的な歯科治療が提供され、特に富裕層向けに審美治療やインプラントの需要が高まっています。
政府は健康推進の一環として予防歯科にも力を入れ始めており、小中学校でのデンタルヘルスプログラムも進行しています。
しかし、農村地域ではまだ十分な環境が整っておらず、基礎的な治療が受けられないケースもあるようです。
ベトナム
ベトナムでは、歯科医療の質が急速に向上しています。
特に都市部ではその波が顕著で、クリニックの数も増え、新しい設備が続々と導入されています。
また、これに伴って医療ツーリズムも活発化しており、歯科治療を求めてベトナムを訪れる外国人もいます。
ただし、予防ケアの意識は高まっているものの、まだ成長途中であり、政府や医療機関による啓発活動が進められています。
オーストラリア
オーストラリアでは、公的保険であるメディケアがある一方で、歯科治療はほとんどカバーされていません。
このため、多くの人々は私的保険を利用したり、自己負担で治療を受けたりしています。
それにもかかわらず、国民の歯科予防意識は高く、定期的な検診やクリーニングを受けることが一般的です。
また、ナチュラルな見た目を重視するために、自然派の治療や素材を選ぶ傾向が強いという特徴があります。
日本と海外の違い
オーラルケアに関する意識
日本のオーラルケアに対する意識は年々高まっていますが、それでもまだ他国と比較すると予防という面で遅れを取っているとされています。
例えば、北欧諸国では予防歯科が強く打ち出され、教育機関でも定期的な指導が行われています。
日本でもフッ素洗口や予防歯科の意識向上が進められていますが、全体的にはまだ浸透していない部分もあります。
銀歯の使用
日本では銀歯が一般的に使用されていますが、欧米では白色のコンポジットレジンやセラミックが一般的です。
これは審美的な理由だけでなく、アレルギーや耐久性の観点からもメリットがあるためです。
日本でもこのような素材は使用されていますが、保険適用外のケースが多いのが現状です。
保険制度
日本の健康保険は多くの歯科治療を包括的にカバーしており、矯正歯科や審美治療などの一部の治療が自由診療となります。
対照的に、アメリカでは民間保険によるサポートが必要で、保険による補償範囲や内容はプランによって大きく異なります。
一方で、ドイツやスウェーデンのように、公的保険が整備されており、基本的な治療のほとんどがカバーされる国もあります。
歯列矯正への意識
日本では、歯列矯正は必要に応じて行われる場合が多いのが現状です。これは矯正費用が保険適用外であり、高額なためです。
しかし、アメリカや韓国では、審美的な理由からも矯正治療が一般的です。
まとめ
各国の歯科治療事情を見ると、オーラルケアに対する意識、治療の傾向、保険制度などがどのように異なるかがわかります。
海外旅行や留学、移住などを検討する際には、ぜひ歯科治療事情にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
ライフケアデンタルオフィス:https://life-care.dental/
〒132-0033 東京都江戸川区東小松川2-33-26
電話:03-5661-2525
交通アクセス
都営新宿線線船堀駅 バス5分
最寄りのバス停:東小松川2丁目