治療したのに歯が痛む。歯科治療後に歯が痛む原因について
こんにちは。東京都江戸川区、船堀のライフケアデンタルオフィスです。
「歯が痛くて歯科医院で治療してもらったけれども、痛みが消えない。」
「治療前は痛くなかったのに、歯科治療後に歯が痛くなった。」
こんな経験をされた方もいらっしゃるかもしれません。
歯科治療後に歯が痛みだすと、治療が失敗したのではないか、と不安になってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、治療がうまくいっているにもかかわらずに痛みが発生する場合もあります。
そこで本日は、治療後に歯が痛む場合の原因と対処法についてご紹介したいと思います。
歯科治療後に歯が痛む原因について
神経近くまで達した虫歯で、神経を保存する治療を行った場合
神経の近くまで達した虫歯であっても、まだ感染が神経に達していない場合、歯を削る量を最小限に抑えて神経を残す治療を行うことができます。
この際、神経の近くまで感染された虫歯部分を削ってレジンなどの詰め物を詰める処置を行うため、歯を削る振動や詰め物を接着するための薬品などの刺激が歯の神経を刺激して炎症をおこし、治療後にもじわじわとした痛みが感じられることがあります。
通常は2~3日で炎症が落ち着き、痛みも落ち着きます。
従来まで、神経近くに達した虫歯は抜髄治療が主体でしたが、最近ではなるべく神経を取らずに残す治療が推奨されているため、このような痛みを感じられる患者さんも増えているように感じます。
この痛みは決して歯科医師の技術不足によるものではなく、むしろ良い治療を行ったことによる痛みといえますので、患者さんには是非ご理解いただければと思っております。
熱の伝導性が高い金属の被せ物や詰め物を行った場合
歯科治療では、詰め物や被せ物の素材に銀歯などの金属が一般的に使われますが、金属は熱の伝導率が高いため、冷たいものや熱いものの刺激を歯の中に伝えやすく、その刺激が「染みる」といった痛みとなって感じられることがあります。
この症状は治療後、1週間程度続きますが、しばらくすると歯の象牙質に神経を刺激から守る第二象牙質と呼ばれる組織が形成されるため、痛みを感じにくくなります。
根管治療で歯に薬を詰めた後に痛い
根管治療の最後の仕上げとして、消毒した歯の根の中に細菌が入り込まないよう、最終的な薬を詰めて密閉するという処置を行いますが、この治療の後に歯に痛みを感じる場合があります。
これは、薬を詰める際に隙間ができないように圧力をかけながら薬を詰めていくため、また根の先までしっかりと殺菌消毒処置を行うため、根の先端の神経を刺激することで起こるものです。
この痛みも一過性のものですので心配ありません。むしろ、しっかりと根の先まで処置を行ったことによる痛みですのでご安心いただければと思います。
詰め物や被せ物の高さがあっていない場合
詰め物、被せ物による治療を行った後に「噛むと痛い」という症状が生じた場合は、歯根膜が炎症を起こしている「歯根膜炎」になっている可能性があります。
歯根膜とは、歯と顎の骨(歯槽骨)の間にある膜のようなもので、噛んだ時にかかる力を吸収・緩和するクッションのような役割を果たしている歯周組織で、歯根膜炎はこの歯根膜に炎症が起きた状態です。
歯根膜に炎症が起きる原因はさまざまですが、その原因の一つに噛み合わせの高い被せ物や詰め物によって特定の歯に集中して強い力が加わることにより、歯周組織が破壊される「咬合性外傷」が挙げられます。
咬合性外傷の場合、噛むと痛いという症状のほか、歯が浮いたような感じがする、顎の下のリンパ節が腫れて痛む、頭痛や発熱があるといった症状が出る場合もあります。
この場合は自然に治癒することはありませんし、他の歯や全体的な噛み合わせにまで悪影響を及ぼすこともあります。
このようや違和感や症状が現れた場合は、歯科医師にその旨を伝えて高さのあっていない詰め物や被せ物を調整してもらうようにしましょう。
神経や細菌が残っている場合
根管治療を行ったにもかかわらず痛みが消えない場合、その原因として考えられるものの一つに「根管内の汚れや細菌の取り残し」があります。
歯の根はとても複雑な形態をしており、歯の神経や細菌をすべてキレイに取り除くことができないことも十分にあり得ます。
その場合は、根管治療を行ったにもかかわらず痛みが消えずにズキズキとした痛みや歯茎の腫れが残ることになります。
根管治療後、1週間ほど経過しても痛みが消えない場合は神経や細菌の取り残しが考えられますので、その旨を歯科医師に伝えて治療のやり直しをしてもらうようにしましょう。
麻酔注射による傷から細菌感染した場合
歯科治療では、治療時の痛みを抑えるために麻酔を使用することが頻繁にありますが、この歯科麻酔によって治療後に痛みが引き起こされる場合があります。
麻酔後に痛みが生じる要因としては主に2つ挙げられ、一つは歯科麻酔時の注入圧力による内出血によるもの、もう一つは麻酔注射をした部分の傷口からの細菌感染によるものです。
歯科麻酔注射による内出血については時間が経つにつれて血液が体内に吸収されていくため、しばらく様子を見るという対応が基本なります。
傷口からの細菌感染の場合においても基本的には自然治癒しますが、症状がなかなか収まらない場合は抗生物質などの薬を処方してもらうことも有効です。
特に歯周病の方の場合は傷口からの感染をしやすい状態になっていますので、治療前に歯周病治療を行ってお口の中の細菌をなるべく減らした状態で治療を行うことが治療後の細菌感染を予防するポイントとなります。
まとめ
歯科治療を行った後でも痛みが引かない場合や余計に痛みが出てきた場合、治療への不安や歯科医師への不信が生じてしまいがちかと思います。
痛みが生じるとどうしても、状態が悪くなっているととらえがちですが、良い治療を行ったからこそ生じる痛みもあることをぜひご理解いただければと思います。
当院では、そのような痛みが生じる可能性がある治療を行う場合、治療前にしっかりと説明し患者さんの不安や誤解を取り除くよう尽力しております。
また、患者さんの質問も随時受け付けておりますので、治療前・治療中・治療後に関わらず、不安や疑問が生じた際にはぜひ遠慮なくご質問ください。
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