舌がんの検査は歯科医院でできる?検査方法や症状、治療法を解説
2024/11/20
こんにちは。船堀(東京都江戸川区)の歯医者、ライフケアデンタルオフィスです。
口の中にできるがんを口腔がんといい、口腔がんにはいくつかの種類があります。
今回は、口腔がんの一つである舌がんについて、その症状や検査方法、治療法などを解説します。
舌がんとは
舌がんは、舌に発生する悪性の腫瘍です。
口腔がんの一種であり、口腔がん全体の中では比較的多く見られる種類です。
舌の側面や舌の裏側にできることが多く、進行すると話すことや飲み込むことが困難になる場合があります。
原因は明確にはなっていないものの、タバコやアルコールの長期的な摂取、虫歯や詰め物・かぶせ物による刺激などが影響しているとされています。
また、歯の破損や不適合な義歯が舌を刺激することによってもリスクが増加すると考えられています。
舌がんの初期症状
初期の舌がんは痛みを伴わないことが多く、舌にしこりや潰瘍ができたと感じる程度でしかない場合が少なくありません。
潰瘍は白や赤い斑点として現れることが多く、なかなか治らないことが特徴です。
また、舌の粘膜にただれや色の変化がみられることもあります。
舌がんの進行後の症状
舌がんが進行すると、痛みやしびれを感じるようになり、話したり食べたりすることが難しくなります。
舌が硬くなって可動域が制限されることや、味覚障害や舌の動かしにくさを感じることもあります。
舌がんの検査方法
視診と触診
視診では、口腔内に光を当てながら舌を直接観察し、がんが疑われる部分の大きさや形、粘膜の異常などを確認します。
舌だけでなく、虫歯やインプラントの状態についても同時にチェックします。
触診では、医師や歯科医師が口腔内に直接触れ、がんがある部位の大きさや硬さを調べます。また、首のリンパ節に腫れがないかも確認します。
超音波(エコー)検査
視診や触診で異常が認められた場合、さらなる画像診断が行われます。超音波(エコー)検査は、超音波を身体の表面に当てて、その反射をもとに体内の様子を確認する方法です。
特に、舌がんの深さや広がり、頸部リンパ節への転移を確認するために用いられます。
CT検査・MRI検査
CT検査は、X線を使用して身体の断面を撮影し、がんの大きさや位置、他の部位への転移の有無を確認する方法です。
造影剤を使用することで、がんの広がりや周囲の臓器への影響をより詳細に捉えることができます。
MRI検査は、磁場と電波を利用して身体の詳細な断面図を生成して検査する方法です。
CTと組み合わせることで、がんをより詳細に確認することができます。
PET-CT検査
PET-CT検査では、放射性物質を付加したブドウ糖液を体内に注射し、がん細胞に取り込まれた放射性物質の分布を撮影します。
これにより、がんの存在や広がりを確認することができます。
細胞診と組織診検査
細胞診では、ブラシや綿棒を用いて病変部の細胞を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無を確認します。
組織診では、病変の一部を直接切り取り、顕微鏡で詳細に観察します。がんの性質や種類、異型度の評価につながります。
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を行うこともあります。
これは、咽頭や食道、胃などに重複がんが存在しないかを確認するための検査です。内視鏡を用いて、鼻や口から挿入し、視覚的に消化管を詳細に観察します。
腫瘍マーカー検査
腫瘍マーカーは、がんの診断や治療後の経過のモニタリングを補助するための検査です。
腫瘍マーカーを測定することで、がんの進行度などを推測します。
しかし、舌がんに特異的な腫瘍マーカーは現時点では見つかっていないため、ほかの検査結果と組み合わせて解釈されることが多くなっています。
舌がんの検査が受けられる場所
舌がんかどうかを確認したいと思った場合、歯科口腔外科や耳鼻咽喉科、大学病院などで検査を受けることができます。
歯科医院でも、初期診断としての視診や問診を行うことがありますが、精密検査が必要な場合は専門医療機関へ紹介されることが一般的です。
市区町村によっては、口腔外科検診を実施しているところもあります。
早期発見・早期治療が予後を左右しますので、気になる症状がある場合は早めの受診を心がけましょう。
舌がんの治療法
手術
手術は、舌がん治療の基本となります。がんの大きさや位置に応じて、部分的な舌切除や、広範囲な切除が行われます。
早期の段階で発見された場合、比較的小さな手術で済むことがありますが、進行がんの場合は周囲の組織やリンパ節の切除も必要となることがあります。
手術後は、リハビリテーションを通じて、話す、飲み込むといった機能回復を図ることが重要です。
放射線治療
舌がんに対する放射線治療は、身体の状態などにより手術が難しい場合に行われることが多い治療法です。
組織内照射(密封小線源治療)や外部照射といった種類があり、放射線を当てることでがん細胞の消滅を目指します。
薬物療法
薬物療法は、手術や放射線治療と組み合わせたり、それらが適応されない場合に用いられます。
主に使用されるのは細胞障害性抗がん薬や分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などであり、それぞれの副作用や患者さんの健康状態を踏まえて治療薬は選択されます。
舌がんと口内炎の見分け方
口内炎は多くの場合、数日から数週間で自然に治りますが、舌がんは放置しても治ることはありません。
また、口内炎は痛みが強く、輪郭がはっきりしていますが、舌がんは初期には痛みが少ないことが多いという特徴があります。
さらに、舌がんでは、舌の一部分が硬く感じたり、潰瘍が大きくなったりすることがあります。
これらの違いを把握し、長期間治らない場合は早めに医療機関で診断を受けることが重要です。
舌がん以外の口腔がん
口唇がん
口唇がんは、唇に発生するがんで、特に下唇に多く見られます。初期症状としては、唇に小さな潰瘍やしこりができ、痛みを伴うことがあります。また、唇の乾燥や出血が目立つようになることもあります。
歯肉がん
歯肉がんは、歯ぐきに発生するがんです。歯ぐきの腫れや潰瘍、出血が持続することが多く、歯のぐらつきが起こることもあります。また、歯肉にしこりができることもあります。歯周病と誤解されやすいため、早期の診断が重要です。
頬粘膜がん
頬粘膜がんは、頬の内側に持続的な潰瘍や白斑、赤斑が生じることが特徴です。また、頬の一部が硬く感じることや、腫れや痛みを伴うことがあります。
硬口蓋がん
硬口蓋がんは、上あごにできるがんです。初期には、硬口蓋に小さなしこりや潰瘍ができ、進行すると痛みを伴い、上あごの一部が硬くなります。
口腔底がん
口腔底がんは、口腔底に発生するがんです。唾液の分泌が増えたり、口腔底が腫れたりすることがあり、口を開くのが難しくなります。舌の動きも制限されることがあります。
まとめ
舌がんは、初期症状が少ないため見逃されがちですが、異常がある場合は早めに医療機関を受診することが重要です。
特に喫煙や飲酒習慣のある方は、定期的な検診を心がけましょう。
ライフケアデンタルオフィス:https://life-care.dental/
〒132-0033 東京都江戸川区東小松川2-33-26
電話:03-5661-2525
交通アクセス
都営新宿線線船堀駅 バス5分
最寄りのバス停:東小松川2丁目