歯にできた白い斑点の原因は?ホワイトスポットの治療法を解説
2025/06/20

こんにちは。船堀(東京都江戸川区)の歯医者、ライフケアデンタルオフィスです。
歯に黒い斑点ができた場合、「虫歯かも?」と思う方が多いかと思います。
では、黒ではなく白い斑点ができた場合は、どのような原因が考えられるか思いつくでしょうか。
この小さな白い斑点はホワイトスポットと呼ばれ、エナメル質のミネラルが何らかの理由で失われ、部分的に弱くなった状態を示しています。
ホワイトスポットの原因、そしてそれに対する治療法や予防法について解説します。
ホワイトスポットとは
ホワイトスポットとは、歯の表面に現れる白い斑点のことです。
エナメル質が部分的に弱くなりミネラルが失われている状態であり、歯のトラブルのサインの可能性があります。
ホワイトスポットの原因
初期虫歯
初期虫歯は、ホワイトスポットが形成される代表的な原因です。
私たちの口腔内には多くの細菌が存在し、歯垢が溜まると細菌が酸を出し始めます。
この酸がエナメル質を侵食し、ミネラルを溶かすことで、歯の表面にホワイトスポットを形成します。
セルフケアでは改善は難しいですが、初期の状態であればフッ素を含む歯磨き粉の使用や歯科医院でのフッ素塗布によって、削らずに治療できる可能性があります。

エナメル質形成不全症
エナメル質形成不全症は、エナメル質が正常に形成されない状態のことであり、ホワイトスポットの原因の一つです。
エナメル質形成不全症の場合、歯が変色したり、やわらかくなったりすることがあり、重度になるとエナメル質にくぼみができ、歯垢が溜まりやすくなります。
矯正治療
歯列矯正を行う際に装着する器具も、ホワイトスポットの原因となることがあります。
矯正器具の周りに歯垢や歯石が蓄積しやすいこととケア不足が主な原因であり、エナメル質が成長途中の10代の患者さんによく起こります。
痛みなどの症状が出ないことも多く、矯正治療が終了した際に発見されることもめずらしくありません。
フッ素の過剰摂取
必要以上のフッ素の摂取も、ホワイトスポットの原因となります。
特に幼少期にフッ素を過剰に摂取すると、エナメル質の正常な形成が妨げられ、白い斑点や場合によっては黄色や茶色の変色が生じることがあります。
フッ素配合製品は適正量の摂取が大切なため、歯科医師のアドバイスをもとに使用するようにしましょう。
形成段階の栄養不足
歯の形成時期における栄養不足も、白濁を引き起こす要因です。
カルシウムやビタミンDをはじめとする歯の健康に必要な栄養が欠乏すると、エナメル質の発育が阻害されます。
その結果、十分に硬化しないまま歯が生えてくることになり、これが後にホワイトスポットが生じる原因となります。
乳幼児期のケガ
乳歯の時期に何らかの衝撃を受けたりケガをしたりすると、後に生えてくる永久歯の形成に支障が生じ、ホワイトスポットが発生することがあります。
子どもの歯は成長途中でデリケートなため、万が一の事故やケガには十分注意が必要です。
ホワイトスポットの治療方法
初期虫歯治療
初期虫歯が原因のホワイトスポットは、削らずに治療できる可能性があります。
具体的には、フッ素を塗布することで歯の再石灰化を促し、エナメル質の改善を図ります。また、同時に歯磨き指導も行われるのが一般的です。
低粘度レジンコーティング治療
ホワイトスポットの治療法として、低粘度のプラスチック素材(光重合型レジン)を用いる治療法があります。
この方法では、レジンをホワイトスポット部分に浸潤させ、ミネラルが流出するのを防ぎます。
エナメル質の強度を維持しつつ、虫歯の進行を食い止めることができる補強方法です。
ダイレクトボンディング
ダイレクトボンディングは、白いペースト状のプラスチック素材を歯に直接盛り付ける手法です。
歯の形や色合いを整えると同時に、歯の強度を高めることができます。すきっ歯や前歯が欠けた場合の治療法としても利用されています。
ラミネートベニア
ラミネートベニアは、歯の表面を薄く削り、セラミック素材でできた薄い板を貼り付ける方法です。
審美的な向上が期待できるため、ホワイトスポットが進行し削る必要があるケースでよく用いられます。
シーラント
シーラントは、主に奥歯に用いられる治療法です。
奥歯の溝に樹脂を塗布することで汚れが蓄積するのを防ぎ、虫歯の予防を図ります。
初期虫歯によるホワイトスポットに対しては、フッ化物を含む材料でシーラント処置をすることにより、再石灰化を促します。
シーラントを施すことで、歯の弱い箇所を強化し、虫歯の進行を抑えることができます。
ホワイトスポットを自分で消す方法

ミネラルを多く含んだ歯磨き粉をフッ素入りの歯磨き粉と組み合わせて使用することで、初期虫歯による軽度のホワイトスポットであれば改善できる可能性があります。
ただし、それは限定的な場合です。
多くのケースではセルフケアだけではホワイトスポットは消えないため、重症化を防ぐためには歯科医院で治療を受けるようにしましょう。
初期虫歯の予防方法
毎日の丁寧なデンタルケア

ホワイトスポットの発生を防ぐためには、日々のデンタルケアが欠かせません。
まず、毎日細かく丁寧に歯磨きをすることが重要です。
食後には必ず歯を磨く習慣をつけ、歯間ブラシやデンタルフロスを使って歯と歯の間に残った食べかすもしっかりと取り除きましょう。
食習慣の見直し

砂糖をはじめとした糖質を多く含んだ食べ物や飲み物は虫歯の原因となる酸を作り出すため、多く摂りすぎたり、だらだらと食べ続けたりするのはよくありません。
糖質の多い食材は、時間や量を決めて摂取するようにしましょう。
また、カルシウムやビタミンDを多く含む食材の摂取は、歯の強化につながりますので、できるだけ取り入れるようにしましょう。
定期的な歯科検診

定期検診を受けることで、歯にトラブルが起こった際の早期治療が可能になります。
虫歯や歯周病のリスクが低い方であっても、半年に一回は歯科医院を受診するようにしましょう。
まとめ
ホワイトスポットは白く小さな斑点のため、できていてもすぐには気づけなかったり、大きな問題はないだろうと見過ごしてしまったりすることもあるかと思います。
しかし、初期のうちに気付くことで、虫歯やエナメル質形成不全といった歯のトラブルの進行を食い止めやすくなります。
日々のケアと定期的な検診で、歯の健康を守っていきましょう。
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