歯が透けて見える原因とそのリスク、治療法を解説
2026/01/20
こんにちは。船堀(東京都江戸川区)の歯医者、ライフケアデンタルオフィスです。
健康な歯は、適度な厚みと不透明感を持っています。
そのため、歯が透けて見えたり薄く見えたりする場合には、何らかのトラブルが潜んでいる可能性があります。
今回は、歯が透けて見える原因やリスク、治療法や予防方法について解説します。
歯が透けて見える原因
酸蝕歯
酸蝕歯は、酸性物質によってエナメル質が化学的に溶けることで起こる疾患です。
虫歯が細菌による酸の局所的な作用で進行するのに対し、酸蝕歯では外部からの酸によって歯が全体的に溶けていきます。
主な原因は、酸性度の高い飲食物の過剰摂取です。
炭酸飲料、スポーツドリンク、エナジードリンク、柑橘類、酢を使った料理などはpHが低く、エナメル質を溶かす恐れがあります。
また、胃酸の逆流による胃食道逆流症(GERD)や、慢性的な嘔吐を伴う摂食障害も、口腔内を酸性環境にして酸蝕歯のリスクを高めます。
エナメル質形成不全
エナメル質形成不全は、歯の発育過程でエナメル質が十分に形成されない状態です。
先天的な遺伝子異常や、後天的な環境要因など、さまざまな原因で起こり、エナメル質の厚みが不足したり密度が低下したりすることで、歯が透明や薄く見えるようになります。
後天的要因としては、乳幼児期の全身疾患、栄養不良、薬物の副作用などが挙げられます。
特に、生後数か月~8歳頃の永久歯の形成期に高熱を伴う疾患にかかったり、テトラサイクリン系抗生物質を服用したりすると、リスクが高まります。
また、フッ素の過剰摂取によって生じる歯牙フッ素症も、エナメル質の形成異常として似た症状を示すことがあります。
酸蝕歯の症状
酸蝕歯の初期段階では、前歯の先端部分が溶けて薄くなり、透明感が出ます。
さらに進行すると、歯の表面の光沢が失われ、くすんだ印象になるほか、咬合面が平らになったり、歯の辺縁が丸みを帯びたりして、歯の形態にも変化が現れます。
さらに進むと、冷たいものや熱いもの、甘いものに対する知覚過敏が起こります。
これは、エナメル質が薄くなり、内部の象牙質が露出することで、外部刺激が神経に伝わりやすくなるためです。
重度の場合は、歯の大部分のエナメル質が失われ、黄色い象牙質が広範囲に露出します。
酸蝕歯のリスク
歯の強度低下は、酸蝕歯において特に注意すべきリスクです。
エナメル質は歯を保護する層のため、この層が失われると歯全体の耐久性が低下します。
日常の咀嚼でも歯が欠けたりひび割れたりしやすくなり、重度の場合は破折によって抜歯が必要になることもあります。
また、知覚過敏の悪化も酸蝕歯のリスクです。
エナメル質が薄くなることで象牙質が露出し、外部刺激が神経に伝わりやすくなります。
さらに、虫歯のリスクも高まります。エナメル質は虫歯菌の酸から歯を守る役割がありますが、この保護層が薄くなることで菌が内部に侵入しやすくなります。
酸蝕歯の治療法
フッ素塗布
軽度から中等度の酸蝕歯では、歯科医院で行うフッ素塗布によって再石灰化を促すことができます。
家庭でのケアとしては、フッ素が配合された歯磨き粉やフッ素洗口液の使用で、フッ素塗布による作用の維持が見込めます。
補綴治療
重度の酸蝕歯や、フッ素塗布だけでは十分な改善が難しい場合には、補綴治療によって歯を修復します。
コンポジットレジンは軽度から中等度の酸蝕歯に対して行われる処置であり、歯の色に近く、削る量を抑えながら欠損部分を修復できるため、患者さんへの負担が少ないという利点があります。
セラミックは、より広範囲の修復が必要な場合に選択されます。
コンポジットレジンよりも費用が高く治療期間も長くなりますが、天然歯に近い透明感と色調を再現でき、長期的に使用することができます。
酸蝕歯の予防法
正しいオーラルケア
日々のオーラルケアは、酸蝕歯を防ぐために欠かせません。
ただし、酸性の飲食物を摂取した後の歯磨きのタイミングには注意が必要です。
酸によって軟化したエナメル質をブラッシングすると、歯質が削られる可能性があるため、少なくとも飲食後30分ほど置いてから歯磨きをするようにしましょう。
また歯磨き粉は、研磨剤の含有量が少ないものを選ぶことが大切です。
研磨剤が多く含まれている歯磨き粉では、軟化したエナメル質がさらに削られる恐れがあります。
歯ブラシも毛がやわらかめのものを選び、力を入れすぎずにブラッシングするようにしましょう。
食生活の改善
歯への酸の影響を抑えるため、炭酸飲料やスポーツドリンクを飲む際は、ストローを使って歯との接触を減らすようにしましょう。
また、口の中で長く留めず、できるだけ速やかに飲み込むことも大切です。
エナメル質形成不全の症状
エナメル質形成不全の症状は、原因や程度によってさまざまです。
軽度では、歯の表面に白い斑点や線条が見られることがあり、中等度では歯全体の色が黄色や茶色っぽく見えることがあります。
これは、薄くなったエナメル質を通して内部の象牙質の色が透けて見えるためです。
また、歯の表面にデコボコが生じ、滑らかな形状が失われることもあります。
エナメル質形成不全のリスク
エナメル質形成不全では、虫歯菌が産生する酸に対する抵抗力が低下するため、虫歯のリスクが高くなります。
また、知覚過敏が起こりやすくなったり、咀嚼の力に耐えられずに欠けたり割れたりすることもあります。
特に奥歯は咀嚼力が強いため、歯冠破折が起こりやすくなります。
エナメル質形成不全の治療法
フッ素塗布
軽度から中等度のエナメル質形成不全には、フッ素塗布による歯質強化を行います。
一方、重度の場合はフッ素塗布だけでは改善が十分でないことがあり、補綴治療などほかの方法と組み合わせて対応することになります。
補綴治療
中等度から重度のエナメル質形成不全には、補綴治療による歯の修復が必要です。
治療方法は、欠損の範囲や部位に応じて、詰め物、かぶせ物、ラミネートベニアなどから選ばれます。
素材についても、コンポジットレジンやセラミックなど、状況に応じて適したものが使用されます。
まとめ
歯が透けて見える主な原因は、酸蝕歯とエナメル質形成不全です。
これらを放置すると、虫歯のリスク増加、知覚過敏、歯の破折、審美的な問題など、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。
定期的な歯科検診と予防的ケアを継続することで、これらのリスクを抑えることが大切です。
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