歯科治療で使う麻酔にはどんな種類がある?それぞれの特徴や違いについて
2025/01/20
こんにちは。船堀(東京都江戸川区)の歯医者、ライフケアデンタルオフィスです。
「歯科医院で使う麻酔」と聞くと、歯ぐきに注射をして感覚を麻痺させる麻酔を想像する方が多いかと思います。
実は、そのほかにも歯科ではいろいろな種類の麻酔を使うことがあるのをご存じでしょうか。
今回は、歯科治療で使う麻酔の種類やその特徴、注射の痛みを少なくするための方法や麻酔にかかる費用などについて詳しく解説します。
局所麻酔法
歯ぐきなど、身体の一部分の感覚を一時的に消失させるために使うのが、局所麻酔です。
歯科治療で一般的に使うのはこの局所麻酔であり、歯を削る治療、根管治療、抜歯、歯周病治療におけるスケーリングルートプレーニング、外傷治療のほか、歯科口腔外科関連の治療を行う際など、さまざまな場面で使用されています。
また、局所麻酔には、表面麻酔法、湿潤麻酔法、伝達麻酔法という3つの種類があります。
表面麻酔法
表面麻酔は、患部に塗布することで感覚を麻痺させるタイプの麻酔です。
ジェルタイプやスプレータイプなどがあり、注射を必要とせずに麻酔を施せるという利点があります。
麻酔が作用するのは歯ぐきのみのため、歯の治療をするためにはその後に湿潤麻酔や伝達麻酔をする必要がありますが、それらを施す際の注射の痛みを和らげることができます。
また、歯石取りをする際などの「湿潤麻酔や伝達麻酔が必要なわけではないけれど痛みがある」治療をする際にも表面麻酔が使用されることがあります。
浸潤麻酔法
虫歯治療や歯周病治療など、痛みを伴う歯科治療で使用する一般的な麻酔が、湿潤麻酔です。
「歯科治療で使う麻酔」といえば、この注射タイプの湿潤麻酔をイメージする方が多いかと思います。
湿潤麻酔では、注射をした歯ぐきと注射液が浸透した神経まで、感覚を麻痺させることができます。
麻酔の作用は、人によって差はありますが、1時間から3時間ほど持続します。
伝達麻酔法
伝達麻酔は、親知らずを抜歯する際など、麻酔が効きにくい箇所の治療をする際に使用する麻酔です。
この麻酔法では、治療をする歯や周囲の歯ぐきだけでなく、唇や舌を含む広い範囲に麻酔を作用させます。
そのため、奥歯などの麻酔が効きづらい箇所の治療をする際だけでなく、複数の歯を一度に治療をする際などにも用いられることがあります。
笑気吸入鎮静法
笑気吸入鎮静法は、亜酸化窒素と医療用酸素を吸入する麻酔法です。
専用のマスクをつけて笑気ガスを鼻から吸うことで、鎮痛・鎮静・睡眠作用を得ることができます。
歯科治療に強い不安を抱えている方などは、笑気吸入鎮静法を使うことで、リラックスした状態で治療を受けられるようになります。
静脈内鎮静法
静脈内鎮静法は、点滴を用いる麻酔法です。
血管内に精神安定剤を注入することで、半分眠ったような状態で治療を受けることができます。
笑気吸入鎮静法よりも鎮静作用が強く、歯科恐怖症の方の治療やインプラント治療などで用いられています。
静脈内鎮静法のメリット
不安や恐怖を軽減
治療への恐怖心が強い方でも、リラックスした状態で治療を受けられます。
痛みやストレスの緩和
精神的な緊張が緩和されることで、治療中のストレスや不快感が大幅に軽減されます。
長時間の治療に対応
インプラント手術や複数の治療を同時に行う場合でも、患者さまにとって負担が少なく済みます。
治療中の記憶がぼんやり
鎮静状態での治療は、治療の詳細をあまり覚えていないことが多く、心理的負担が少なくなります。
全身麻酔法
大がかりな歯科口腔外科治療や矯正治療などの際には、全身麻酔が用いられることがあります。
全身麻酔を使用するのは、基本的に大学病院などの総合病院で治療が行われる場合であり、入院が必要になります。
麻酔注射の痛みを少なくするための方法
「歯科治療は痛い」というイメージを払しょくするために、多くの歯科医院では注射の痛みを少なくするためのさまざまな工夫をしています。
その一つが、表面麻酔を事前に施すことです。
いきなり患部に針を刺すのではなく、塗るタイプの麻酔が効くのを待ってから注射をすることで、針の痛みをほとんど感じさせずに注射ができるようになります。
また、注射の際の針の太さも痛みに影響しており、針が太ければその分痛みが大きくなります。
そのため、近年では33ゲージの細い注射針を使う歯科医院が増えています。
ゲージは注射針の太さを表す単位であり、数字が大きくなるほど針が細いことを示しています。
麻酔液の温度調整も、注射時の痛みを和らげるために行う工夫の一つです。
麻酔液の温度が冷たすぎたり温かすぎたりする場合、体内に注入される際の違和感により痛みを感じやすくなるのです。
そのため、カートリッジウォーマーなどを使って麻酔液を人肌に近い温度まで温めておく歯科医院が増えています。
そして、注射時には一定の速度でできるだけゆっくりと麻酔液を注入していくことで、痛みを出さないように気を付けています。
これは、麻酔液を注入するスピードが速すぎると、神経が圧迫されて痛みを感じやすくなるためです。
電動麻酔器はコンピューター制御により一定の圧力で麻酔液を注入できるため、このような痛みが出にくいという利点があり、近年では電動麻酔器を導入している歯科医院が多くなっています。
麻酔をすることのリスク
歯科治療時のつらい痛みを軽減してくれる麻酔ですが、治療後は麻酔が切れるまでは食事はできるだけ避けましょう。
感覚が鈍っている状態で食事をすると、口の中をかんでしまったり、火傷してしまったりすることがあります。
また、麻酔が効きづらい方や、妊娠中や授乳中の方など、麻酔に不安がある方は遠慮なく歯科医院に相談してください。
また、静脈内鎮静法を用いる場合には、事前の食事制限や、治療後のリカバリー時間が必要となります。
リカバリー後も、車の運転などは控える必要がありますので、予定を調整したうえで治療日を決める必要があります。
まとめ
一昔前までは、「歯医者さんの治療は痛い」というイメージが一般的でした。しかし最近では、表面麻酔や細い麻酔針の使用により、注射時の痛みも治療時の痛みも少なくなっています。
それでも歯科治療に強い不安感や恐怖感を持つ方の場合は、ほぼ眠った状態で治療を受けることが出来る静脈内鎮静法といった麻酔法で、不安感を和らげながら治療を受けることができます。
治療前のカウンセリングや問診票の記入の際に、「痛みがある治療が苦手」だと伝えていれば多くの歯科医院では痛みができるだけ少なくなるよう配慮してくれますので、不安や恐怖がある場合は遠慮なく伝えてみてください。
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