歯茎がムズムズ、痛がゆいのは何故?原因と対処法について

      2024/01/20

こんにちは。江戸川区の歯医者、ライフケアデンタルオフィスです。
「歯茎が痛いという訳ではないんだけど、なんか痒くてムズムズする…。」
このような経験をされた方も多いのではないでしょうか?
不快な症状ではあるものの痛いわけではないから、と言って放置してしまっている人もいらっしゃるのではと思います。
歯のムズムズの原因はさまざまで、中には日常のデンタルケアで改善することもありますが、場合によっては、放置したり間違った自己流の対処をしてしまうとかえって症状を悪化させてしまうことになりかねません。
そこで本日は、歯がムズムズする原因と対処法についてご紹介していきたいと思います。

 

原因1:歯周病

歯茎がムズムズする、かゆいといった症状が現れた場合、その原因の大半は歯周病の初期症状といってもよいでしょう。
歯周ポケットの中にプラーク(汚れ)が溜まると、その内部に潜む歯周病菌が毒素を出し、歯茎に炎症を起こしてしまうため、「歯茎がムズ痒い」「歯茎が腫れる」「歯茎を触るとブヨブヨする」といった症状が出てくるのです。

歯周病が初期の場合は上記のような比較的軽度の症状ですみますが、歯周病が進行してしまうと、歯茎から排出される膿によって口臭が発生したり、歯を支える骨である歯槽骨が破壊されて歯が抜け落ちてしまうこともあります。
歯周病は、初期の段階であれば、正しいハミガキを行うことで症状を改善することが出来ますが、歯並びが悪かったり、合っていない詰め物や被せ物などがあったりすると、どうしても磨き残しが出てしまうため、ご自宅でのハミガキと併用して歯科医院でのメンテナンスなどを上手に活用することをおススメします。

 

原因2:虫歯

比較的初期の虫歯(C1~C2)の場合

虫歯といえば痛いというイメージがあるかもしれませんが、痛みが出る前の初期段階の虫歯であっても、ムズ痒いといった症状や違和感を感じることがあります。
これは、虫歯でできた穴に食べカスが詰まったりすることで細菌が繁殖し、周囲の歯茎に炎症を起こしてしまうためです。

この場合は穴に詰まった食べカスを取り除くことで症状は解消されます。
穴が大きく食べ物が詰まりやすい状態になっている場合は、コンポジットレジンと呼ばれるプラスチックの白い詰め物で穴を埋めるか、インレーと呼ばれる詰め物で修復します。

 

神経(歯髄)まで進行した虫歯(C3~C4)の場合

神経まで進行した虫歯がムズムズする場合、歯髄炎(しずいえん)を発症している可能性があります。

虫歯が原因の歯髄炎の場合、虫歯菌などの細菌が歯髄(歯の神経)まで入り込み炎症をおこしている状態で、比較的軽度の場合には、歯がうずく、冷たいものや熱いものがしみるといった程度で済みますが、症状が進行すると、何もしていなくてもズキズキと痛みを感じるようになり、夜も眠れないほどの痛みを引き起こしてしまうこともあります。

この場合、炎症を起こしてしまった神経を取り除く治療(根管治療)を行う必要があります。
症状が軽いうちに治療を行うことで、痛みも費用も時間も最小限に抑えることが出来ますので、気になる症状のある方はなるべく早めに歯科医院にて診てもらうようにしましょう。

 

神経のない(過去に根管治療を行った)歯の場合

過去に根管治療をおこなった歯がムズムズする場合、根尖性歯周炎 (こんせんせいししゅうえん) を発症している可能性があります

根尖性歯周炎とは、歯の根の先(根尖)まで炎症が進み、根の周囲にある歯周組織にまで炎症が起きてしまっている状態のことで、主に神経を取った歯や神経が死んでしまった歯などに多く見られます。
一度根管治療を行った歯であっても、歯の根の形状が複雑であったために細菌を除去しきれていなかったり、長い時間が経過することで被せ物が劣化し、歯と被せ物の隙間から新たに細菌が入り込んでしまうなどの理由で再感染を起こしてしまうのです。

根尖性歯周炎の症状としては、ムズムズとした違和感のほかにも、噛むと痛い、歯が浮く感じがする、膿が出てくる、などといった症状があり、治療法としては、再感染した細菌や腐敗物を取り除くための「感染根管治療」が必要となります。

根尖性歯周炎は炎症が進行してしまっている状態ですので、自然に治ることはありません。
放置していると、歯根の炎症が歯槽骨まで広がり顎の骨を溶かしてしまうといった症状に発展する可能性もありますので、こちらの場合も早めに歯科医院を受診するようにしましょう。

歯科治療後に歯がムズムズ・うずくのは何故??
虫歯が原因で歯がムズムズする場合は、原因となる虫歯の治療をすることで症状が改善されますが、場合によっては、歯科治療後に歯がうずく、ムズムズするといった症状が出ることもあります。
これは、歯科の治療の際に歯や歯周組織にダメージを与えてしまうことで神経が敏感になっていたり、根の消毒のための薬剤が刺激になって、痛みや違和感を感じやすくなっているためです。
このような痛みは違和感は一過性のものですので、通常は2~3日で症状は治まります。
しかしながら、1週間経過しても症状が軽くならない場合は他の原因も考えられますので、一度担当歯科医師に確認してもらうようにしましょう。

 

原因3:智歯周囲炎(親知らず周囲の炎症)

智歯周囲炎とは、親知らずが生えてくる際に見られる周囲の炎症をいいます。
親知らずは正常に生えてくることが稀で、たいていの場合は斜めや横に向いて生えてきたり、歯茎に一部が覆われたままになっていたりします。
また、正常に生えている場合でも、親知らずは歯ブラシが届きにくく磨き残しが出やすいため、細菌が繁殖して炎症を起こしやすい状態になっているのです。

親知らずが真っ直ぐに生えていて上下の歯できちんと噛み合っている場合は、今までのブラッシング方法を見直して正しいお手入れの方法を身に着けることで症状は改善されます。歯ブラシだけでなく、タフトブラシなども活用してしっかりと汚れをお落とすことを意識するとよいでしょう。
しかし、斜めに生えていたり歯茎に一部が覆われたままになっている場合は、智歯周囲炎の他にも虫歯や噛み合わせの悪化、顎関節症の誘発などといったトラブルを起こしやすいため、歯科医に相談のうえ抜歯を検討してみてもよいでしょう。

親知らずの抜歯は不安や恐怖も大きいかと思いますので、抜歯が本当に必要かどうかも含め、しっかりと歯科医に相談してから行うようにしましょう。

 

原因4:歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりで歯に強い力が加わり続けると、歯の根の周りある歯周組織を構成している膜(歯根膜)に大きな負担がかかり、炎症を起こしてしまうことがあります。
これを歯根膜炎と言い、症状としては、初期の場合は歯茎がムズ痒い、歯が浮いたような感じになる、といった程度ですが、重症になると激痛や歯のぐらつき、さらには顎の骨などの周辺組織にまで炎症が広がってしまいます。

歯ぎしりや食いしばりは睡眠中や日中に無意識に行っているケースがほとんどで、ご自身が自覚されていないため、知らないうちにどんどん症状が悪化してしまいがちです。
また、歯ぎしりや食いしばりを放置していると歯根膜炎だけではなく、歯にヒビが入る、割れてしまう等といったさまざまなトラブルも起こりやすくなりますので、思い当たる症状のある方は一度歯科医師に相談してみることをおススメします。

 

原因5:アレルギー

歯のムズムズは、歯周組織の炎症だけではなく、アレルギーによる症状として現れることもあります。
お口の中に合わられるアレルギー症状としては、主に下記の2つが挙げられます。

 

歯科材料による金属アレルギーの場合

金属アレルギーの原因となりやすい金属としては、ニッケル・パラジウム・コバルト・水銀・クロムなどさまざまな種類が挙げられますが、特に歯科治療で使われている銀歯に使用されているパラジウム合金は歯科金属アレルギーの原因として多くを占めており、口の中がムズ痒くなったり、身体の皮膚がかぶれるなどといった症状を引き起こすことがあります。

このような場合は、原因となっている金属を取り除くことで症状が改善します。

金属アレルギーが疑われる場合は、まずは金属アレルギー検査を行いアレルギー反応が出る金属を特定したうえで、その金属を含む詰め物や被せ物を外し、レジン(歯科用プラスチック)やセラミックなどのアレルギー反応の出る金属を含まない詰め物や被せ物に変更しましょう。

 

口腔アレルギー症候群(OAS)の場合

口腔アレルギー症候群とは、果物や生野菜を食べた後、比較的短い時間(数分程度)唇、舌、口の中や喉にかゆみやしびれ、むくみなどがあらわれるアレルギーの1種です。

多くの場合は比較的軽い症状がお口の中だけ発症し、食後しばらくすると自然に治りますが、まれに鼻や眼に花粉症のような症状が出たり、じんま疹、腹痛や吐き気、下痢、喘息発作といった症状が出る場合もあり、最悪の場合には重篤なアレルギー症状(アナフィラキシー)を起こすこともあるので注意が必要です。

口腔アレルギー症候群が疑われる場合は、なるべく早く内科やアレルギー科などの医療機関に診てもらうようにしましょう。

 

まとめ

歯茎がムズムズする、痛痒くて違和感がある、といった症状が出た場合、何かしらの炎症が起きている初期症状である可能性が高いです。
痛むという程ではないため放置してしまいがちですが、処置が遅れたり、間違った自己流の処置などで症状が悪化してしまうと、治療の期間も回数も多くかかってしまいます。
気になる症状がある場合は、なるべく早めに歯科医院に相談するようにしましょう。

 



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