【情熱対談】歯科医療の現場で起こっていること

【情熱対談】歯科医療の現場で起こっていること

日本の歯科医療を変えたいという想いのもと、Life Care Dental Ofiice と、他の歯科医院と対話を行っていく対談企画の第1弾です。

今回は、虎ノ門グローバルスクエア歯科の林院長、丘副院長をお招きして、開業に至った想いや、お互いが歯科医療に対してどう向き合っているかについて、お話していきたいと思います。

■ Life Care Dental Office
院長 中山 俊太郎(S) / 歯科医師 中山 和嘉子(W)

■ 東京虎ノ門 グローバルスクエア歯科
院長 林 洋介(H) / 副院長 小児歯科専門医 丘 久恵(O)

Life Care Dental Office〜「ヘルスケア=ゼロ」を目指して〜

S: 僕らの医院は、開業して3年が経ちました。その間、患者さんの層もだいぶ変わってきました。最初は、とりあえず仮歯をつけてくれ、とりあえずなんとかしてくれ、といった応急手当ての患者さんが多くいらっしゃいました。ところが、今はそれが全くありません。他院からの紹介患者さんや、きちんと口腔の健康に向かい合ってお口の環境を良くしようとする患者さんがほとんどですね。

日本の歯科医療を変える、と言うと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、要は、当院に来たかたには「口の中のことで困ることがない人」になって欲しいんです。歯科医療の究極の目的は「ヘルスケア=ゼロ」なんです。つまり、日常の生活で、お口の中について健康を意識しないで、心配せずに生活できるような環境を提供するのが究極の目的です。

O: 「病気ゼロ」ということですか。

S: わかりやすいですね、「病気ゼロ」のほうが。当院は開業して3年経ちますが、こちらに来てから新しいむし歯をつくった人はゼロなんです。

  1. 虫歯ゼロ
  2. 歯周病ゼロ
  3. 歯科疾患ゼロ

そんな歯科医院を目指しています。次は5年、そしてその次は10年と、継続していく決意です。

開業〜「原因」を徹底的に取り除きたいという決意〜

H: 中山先生の強い意志、素晴らしいですね。いま、ヘルスケアゼロの話から始まったわけですが、それはLife Care Dental Officeとして開業しなければ達成できないものなのでしょうか?

S: そうだと思っています。

歯医者はもちろん医療を提供する仕事ですが、ビジネスの側面ももちろんありますよね。ですから、正直な話を申し上げると売り上げがないと成り立たないわけです。意志半ばで潰れてしまっては本末転倒です。

O: 慈善事業ではないっていうことですよね。

S: はい。つまり、開業していると、やはりどうしても売り上げを意識しないといけないんです。保険では、ほぼ予防に関する項目がないんですよね。でも、一方で、予防が習慣化して、効果をある程度実感できるようになるまでにも時間がかかります。つまり、普通に予防をやると売り上げに繋がらない。ですから、保険だけで患者さんのための予防をしようとすると、難しいことが多いのです。


私が必要だと考えていることは、病気の「原因」を徹底的に取り除くことです。そこに責任と使命感を持っています。なぜなら、原因を取り除かない限り、また新たに病気をつくってしまうじゃないですか。それでは歯科医療の意味がありません。「病気の原因であるプラークを徹底的に除去するシステムそれを実践したい」。これは一般的な開業医では、難しいことなんです。

虎ノ門グローバルスクエア歯科〜情熱は患者さんに伝わると信じて〜

H: 私は、虎ノ門グローバルスクエア歯科を開業しまして、8月で2年が経ちます。銀座線虎ノ門駅の、駅直結のオフィスビルにあります。コロナ禍でのスタートでしたが、今は少しずつ活気が戻ってきたところですね。専門性を掲げて、周りの企業のオフィスワーカーの人をターゲットにして開業しました。

診療理念については、Life Care Dental Officeと通じるところがあります。プラークコントロールが不十分な患者さんにどんな治療をしても、まるで意味がないのです。ですから、歯科衛生士にはプラークコントロールの重要性を患者さんに伝えるよう徹底させています。私自身もプラークコントロールを行うことがありますが、患者さんには、フロスの使い方も、自分がその場で実践しながら「こうですよ。ここを引っ張ってやるんですよ。」と指導します。

W: そこまでしてくれると、「あなたのことを治したい」と、自分のことを思ってやってくれている気持ちが、患者さんにも伝わりますよね。「私のことを考えてくれてるんだ、思ってくれてるんだ。」と、その熱意は患者さんの心を動かすきっかけになりますね。

H: そう信じて、僕も信念を持って取り組んでいます。具体的には、患者さんがセルフケアをできる口腔内環境をつくるというコンセプトを持っています。抜歯や不良補綴(ほてつ)の処置(不適切な詰め物の処置など)については、基本治療をやりつつ、歯科衛生士とともに患者さんにセルフケアのテクニックをつけていってもらいます。そして、セルフケアをしっかりできる状態で治療を終わらせるという診療理念を、開業当時から掲げています。患者さん向けには「セルフケアしやすいお口の中にする」とホームページに書いています。

W: そのあたりは当院と通じるものがありますね。

H: そうですね。プラークコントロールは、経営的にはマイナスですが、当院は時間をとって行っています。

どんな患者さんが増えているか

S: 本当に大切な情報は、患者さんはあまり掴めていない気がします。例えば、高い電動歯ブラシを使っていればいいだとか、いいペーストや洗口液を持っているから大丈夫だとか、そういった「物」に飛びついてしまうんですよね。

O: 根本的に大事な情報は、確かにそれほど患者さんには届きませんね。

S: 例えば、プラークコントロールがいかに大事かといった真実は、なかなか届かない。「物」の話は分かりやすいし、それっぽく話されるとそれが真実だと思い込みやすい。なかなか、ちゃんとその情報の根拠まで追う人は稀ですから。

W: はい。この記事を読んでくれる方々は健康への意識が高い方が多いかもしれません。しかし、住宅地の中で地域医療をしながら思うのは、そういう予防への意識が強い患者さんが増えた、という実感はあまりないです。目の前の「詰め物がとれた」「歯が痛い、しみる」といった悩みを解決したい方が、依然多いのは事実です。

問い合わせするときのポイント〜患者さん自身も積極的に質問を〜

S: お問い合わせする前に、大抵の患者さんはホームページを見ると思います。そこでどれだけセルフケアを大事にしているか、というところを見てください。技術や設備も大事ですが、「予防」をちゃんと徹底しているか、です。多くの歯科医院では、メンテナンスを大事にしています、などと書いてありますが、その後の歯の健康を考えたケアをちゃんとしてるのかも重要です。。

H: 確かに、技術をアピールしているホームページはよく見かけますね。ただ、本当に大切なことは、技術以外の歯に対する想いや、健康への向き合いについてしっかりと書いてること。

S: 口コミもある程度信頼できますが、まずは行ってみないとわからないことが多いでしょうね。行ったときに、ちゃんと本当のことを教えてくれるかどうかです。そして、患者さんはただ話を受け入れるだけじゃなくて、ちょっとでも分からないことがあったらら質問することが大事です。

次回は、歯周病について深堀していきたいと思います。

■東京虎ノ門グローバルスクエア歯科

虎ノ門駅直結ビルの2階のオフィス街にあり、アクセス良好なクリニックです。

歯周病認定医をはじめ、全国の歯科医の約1%しかいない小児歯科専門医も在籍し、予知性の高い歯科治療および、インプラント治療など、包括的歯科診療を患者さま一人一人にご提供致します。

特に健康な口腔内を持続するための環境づくりに力を入れ、治療計画に基づいた「着実で丁寧な治療」を心がけております。

また、お口の中に問題がある場合は「適切かつ精密な歯科治療」を行うことで健康な口腔内を取り戻し、それを持続するための環境づくりのお手伝いをさせて頂きます。

東京虎ノ門グローバルスクエア歯科 ウェブサイト
江戸川区・船堀駅で歯医者を選ぶなら

江戸川区・船堀駅で歯医者を選ぶなら

当院のコンセプトは「お口の中のことで困らない人生を提供すること」です。

研修医時代に出会った偉大な歯科医師から多くを学び、そして将来は私の地元である江戸川区の歯科医療に貢献したい、江戸川区の「むし歯ゼロ」に貢献したい、そんな思いがあったのを覚えています。

今回は、そんな「むし歯ゼロ」に貢献していくにはどうしたらよいのか、どのような歯医者を選べばよいのか考えていきたいと思います。

むし歯ゼロから、まだまだ遠い日本人

厚生労働省の歯科疾患実態調査のデータからもわかるように、日本人のむし歯は年々増加傾向です。他の先進国と比べても日本は異常なほどむし歯が多い国です。

また、日本人の65歳~74歳の残っている歯の本数の平均は約20本です。

出典:厚労省 平成28年歯科疾患実態調査

あなたは自分の歯が何本あるか数えたことはありますか?

人の歯は通常28本ありますので、20本は8本の歯がないということです。
想像してみてください。歯を8本失ったら今までと同じように食事が出来るでしょうか?
このように、日本人は意外と「歯が悪い」のですが、それには原因があります。

原因は「プラーク」と呼ばれるばい菌の塊

日本人の「歯が悪い」原因は、何が原因で歯が悪くなるのか、正しく認識されていないことによります。

そのため、病気の原因を解決する「予防」を目的に歯医者に通う習慣が日本にはありませんし、通っている方でも定期検診に歯医者に行っていれば「予防」できると思っています。

むし歯は感染症であり、原因は「プラーク」というばい菌の塊です。

その原因の「プラーク」について適切に対策することが出来なければむし歯を「予防」することは出来ないのです。

江戸川区で「むし歯ゼロ」に貢献する歯医者を選ぼう

「治療を目的に歯医者に行ったのに、歯ブラシ指導ばかりで治療がなかなか進まない。」
こんな歯医者の口コミをよく見かけます。

患者さんの気持ちになってみれば、そう思うのは当然とは思いますが、おそらく治療したとしても歯ブラシ習慣が改善されない限り、再発するという歯医者の判断があったのでしょう。

実際にそんな患者さんのお話をじっくりと伺うと、実はそんなに治療を急ぐ必要はなく、患者さん自身も歯ブラシ習慣の重要性に気づいていただけます。

はじめは「治療」が目的でも、自分にとって本当に必要なのは「予防」なのだと。

「むし歯ゼロ」を実現するには、患者さん自身も歯の不具合の原因や予防法を正しく知ること。そして、患者さんの考えを理解し、本当に必要なことをわかりやすく教えてくれる歯医者との協力関係が築けるかどうかが重要です。

「むし歯ゼロ」を目指す歯医者を選びたいものですね。

(歯科医師:中山俊太郎)

人生を変える歯医者選び<後編>

人生を変える歯医者選び<後編>

前回、「自分の通っている歯医者は大丈夫だ。」「歯医者の治療はこういうものだ。」そんな思い込みで20年間歯医者に通い、大丈夫だと思っていたお口の中を精密に検査したところ、23本の歯に大小の虫歯が見つかり、歯周病も発覚したというエピソードを紹介しました。

彼女は虫歯がどのような病気で、原因は何なのかを理解することなく、自分は虫歯になりやすい体質だと思いこみ、虫歯治療を繰り返していました。
そこで、じっくりとお話を伺い、お口の中の病気の原因や現状を詳しく知ってもらうために、精密検査をしました。
検査結果から、病気の原因を知ることは、自身のお口の中の現状を理解することに繋がり、治療にも、その後のセルフケアにも大きく影響します。

そこで今回は、予防や治療の方法や選択について考えていきたいと思います。

予防プログラムで病気への理解を深める

まず、大切なことは「病気の原因は何なのか?」ということです。病気とは、虫歯、歯周病のことであり、予防するには原因である「プラーク」を徹底的に除去する以外方法はありません。また生活習慣など病気のリスクになる問題の解決も同時に必要となります。
「病気の原因」について解決せず、「病気のリスク」について知ることなく治療をしても、今までと同様に残念な結果になるのは当たり前です。

そこで治療に入る前に、彼女は「予防プログラム」で、お口の中の病気の原因に対する具体的な解決法を知り、生活習慣と病気との関連、治療の必要性について理解を深めました。

プログラムを進めていくと、歯ブラシをした時の歯ぐきからの出血はなくなりました。以前まで歯ブラシの時に血が出ることはいいことだと思っていたので、彼女自身も驚きました。歯周病は、原因である「プラーク」を歯ブラシなどのセルフケアで除去すれば、自分で治すことが出来る病気なのだということに気づきました。
また、詰め物が合っていない場所や、フロスが引っかかる所はケアが出来ず、病気の原因が残ってしまう為、治療が必要だということが明確になりました。

治療後の経過を左右する予防プログラム

予防プログラムを受けたことで、歯周病の改善とともに、自分の歯を守るためのセルフケアの重要性、治療・メンテナンスの必要性について彼女は深く理解することが出来ました。今まで虫歯になってしまっていたのは「歯が弱い」からではないということ、原因について解決することが出来れば予防できるということを知り、自信をもてました。

また、自分ではどうしてもお手入れできない部分のケアやケアしているつもりでもできていない部分の再確認など、定期的に行うメンテナンスも必要であるということがわかり、3か月に1度通うことになりました。

通常メンテナンスの期間は歯医者の都合で決められることが多いですが、当院では自らメンテナンスの期間を患者さんに決めていただいています。歯医者や歯科衛生士に言われたから行くのではなく、目的をもって必要だから行くのです。
一般的には、なぜ予防が必要なのかを深く理解しないまま、「早く治療を終わらせたい」など患者さんの都合により、治療が先行してしまうことが多くあります。結果、自分自身で歯を守るための知識や方法を学ぶことが出来ないまま、病気を繰り返してしまうのです。

病気への理解が、治療の精度を高める

あなたは歯医者で、自分にとって最善最良の治療プランを教えてもらったことはありますか?
通常の歯医者では、問題の起こった部位、もしくは患者さんの審美的な要望によって計画された治療プランの説明があります。そして保険を適応するかしないかの選択を迫られます。
しかし、お口の中は全体で、1つの臓器です。ひとつの歯だけが問題に見えても、見えないところで問題が起きている可能性があります。特に歯周病やかみ合わせについてはお口の中全体で考える必要があります。
適切な選択をするために、お口の中全体を考慮した治療プランを知ることが重要になります。もちろん治療期間や費用についても考えなければなりません。

彼女は検査や予防プログラムによりお口の中への理解が深まり、出来る限り治療を繰り返す事がなく、自分の歯で生涯健康に生活したいという思いから治療プランを選択されました。


治療前の口腔内写真
治療後の口腔内写真
治療後の口腔内写真
治療前のレントゲン写真
治療後のレントゲン写真
治療後のレントゲン写真

<治療後の彼女の感想>
今までは、歯の病気の原因やそのメカニズムを知ることなく歯磨きをしていましたが、予防プログラムを通して深く理解することができました。治療後も、歯の引っ掛かりがなくなったことで、歯の手入れもしやすくなりました。
私の口の中を理解し、相談することが出来るパートナーが見つかりました。

(歯科医師:中山俊太郎)

予防プログラムと治療について詳しく知る

→人生を変える歯医者選び(前編)

人生を変える歯医者選び<前編>

人生を変える歯医者選び<前編>

歯医者選びで人生が変わる? そんな風に思う人は少ないかもしれません。

では、実際はどうでしょうか。患者さんの中には20、30代に虫歯の治療を繰り返し行い、40、50代になって歯を失う方が多くいらっしゃいます。1本歯を失うと他の歯にも問題が起こる可能性も高くなります。また、歯周病が隠れていることも多く、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞など命に関わる病気のリスクも高くなります。
実際に、成人の8割が歯周病であるといったデータもあり、これは多くの日本人が抱える問題でもあります。

当院に来院される患者さんも同様に、「自分の通っている歯医者は大丈夫だ。」「歯医者の治療はこういうものだ。」と思い込み、取り返しのつかない状態になって初めて気付かれることも少なくありません。

そこで今回は、当院で治療が終了した、とある20代の患者さんが小学校から高校生まで同じ歯医者に通い続けて、残念な結果となってしまった本当の話をご紹介します。

「歯ブラシの時に血が出るのですが、大丈夫ですか?」

現在27歳の彼女は、幼稚園の時からたくさんの虫歯があったそうです。
小学校の時に虫歯治療を行った際、1度だけ歯ブラシの指導を受けた記憶があるそうです。
また、中学校の時には約3年間、歯並びが悪かったため、矯正治療を行っています。

矯正治療中、先生に「歯ブラシの時に血が出るのですが、大丈夫ですか?」と質問したところ、「悪い血が出ているから、悪い血ができったら良くなるから心配しなくて大丈夫だよ。」と言われたそうです。それからは歯茎から血が出ても「悪い血が出ているから、血が出るのはいいことだ」と思っていたそうです。おそらく矯正治療で歯ブラシがやりづらいこともあり歯周病になっていたのでしょう。更に、矯正治療中にも虫歯をつくってしまったようです。

高校生になり、ある時、数カ月前に虫歯治療で銀歯を入れたところに突然激痛が走り、歯医者を受診したところ、神経が死んでいると言われたそうです。その時、初めて歯の神経の治療を経験し、とても痛かったこと、神経が取られてしまったショックで、2度とこんな経験はしたくないと思ったそうです。

他にも、治療してもらった前歯が変色し、よくみるとデコボコしている所があったり、またフロスをすると引っ掛かったり、気がつくと色々な所に不具合が表れていましたが、歯の治療というのはこういうものだと思っていたそうです。

彼女はそれまでは定期的に歯医者に通っていましたが、これらの経験から、歯医者に対する信頼や期待が低くなり、足が遠くなったそうです。

23本の歯に虫歯が再発

彼女は24歳の時、仕事中に突然銀歯が取れて、約6年ぶりに違う歯医者に行きました。お口の中全体のレントゲンを撮り、診てもらった上で、先生から「歯はよく磨けているし、ほかの歯も取れた歯も、今回は大丈夫。」とのことだったので、取れた銀歯はそのまま戻してもらったそうです。

それから約2年後、今度は高校生の時に神経を取った歯の違和感を感じ、当院に来院されました。私たちは、症状の話だけでなく、これまでの歯医者での経緯や歯に対する思いなどを詳しくお伺いしました。その上で「本当はどうしたいのか?」「どうありたいのか?」と、お伺いしたところ、
「もう二度と虫歯にはなりたくない。」
「自分の歯で一生美味しく食事をしたい。」
という答えが返ってきました。

そこで、まずは自分のお口の中がどのような状態なのかをしっかりと把握するために、時間をかけて精密検査をしました。
結果、23本の歯に大小の虫歯を発見し、検査によって歯周病も発覚しました。
彼女が元々言っていた、違和感がある部位は根の先に膿がたまっている状態で、銀歯を取るととても大きな虫歯になっていました。別の2年前につけてもらった銀歯の下も大きな虫歯となっており、もしこのまま放置していたらこの歯も神経の治療をすることになっていたかもしれません。
精密検査の結果から、以前の歯医者さんに裏切られた気持ちが強まったそうです。

初診時の口腔内写真
初診時の口腔内写真
初診時のレントゲン写真
初診時のレントゲン写真

意外と行われていない”精密”な検査

このエピソード、実は他人事ではありません。実際に当院においでになった患者さんの多くが同じような状態だからです。数年のブランクはありますが、彼女は20年間歯医者に通っています。それにもかかわらず、なぜこのような悲惨なことが起こるのでしょうか?

まず考えられることは、精密に検査をされていないことです。実際に患者さんに聞いてみても、ほとんどの方が歯周病の検査、かみ合わせの検査を受けたことがない、もしくは覚えていないとお答えになります。彼女も歯周病の検査を受けたのは初めてで、歯ぐきから血が出るのは、歯周病という病気が原因だということをここで知りました。

虫歯、歯周病、かみ合わせについての検査が適切に行われていないために、歯科医師自身も問題を把握しきれていない可能性があります。虫歯の状態を正確に診断するためには精密なレントゲン撮影が必要ですし、また歯周病の検査をしなければ歯周病の状態もわかりません。さらに、かみ合わせの検査は、治療の精度を高めることにつながるのですが、手間がかかることもあり、ほとんどの歯医者で行われないのも現状です。

では、彼女は改善に向けて、どのような治療を受けたのでしょうか。次のコラムでは、実際に彼女が受けた予防プロブラムや治療について、詳しくご紹介したいと思います。

(歯科医師:中山俊太郎)

精密検査について詳しく見る

→人生を変える歯医者選び(後編)

30代の歯医者の選び方「予防」

30代の歯医者の選び方「予防」

あなたは、自分の歯が丈夫だと思っていませんか?
30代は、仕事や日々の生活が忙しく充実してくる年代のため、お口のトラブルがあっても、自覚症状が軽微のため、忙しいなどの理由で放置したり、対処療法的な治療で済ませてしまうことが多くあります。

一方、最近の厚生労働省の調査では20年前に比べて20歳までに虫歯になる人の割合は大幅に減っていますが、それ以降の年代では逆に虫歯は増えています。また、歯周病も同様に増加しているという結果でした。

つまり、気付かない内に、将来、歯を失うリスクを高めてしまっているのです。実際に、患者さんの中には40代で既に歯を失っている方もおりました。まさに、30代でお口の健康を管理し始めるかどうかが、人生を左右するといっても過言ではありません。

そこで、今回は発症や重症化する前に「予防」という観点から、30代からの歯医者の選び方について考えていきたいと思います。

■20歳までは、無意識に虫歯予防できている

では、なぜ20歳までの虫歯を減らすことが出来たのでしょうか?

  • 1つ目の理由は学校健診や、そこでの啓発活動が功を奏したことです。
    昔に比べて、予防の重要性を訴える歯科医師が増えたことによるものだと思います。
  • 2つ目は、啓発活動やメディアの情報により親御さんの虫歯予防に対する姿勢が変わったことです。歯ブラシや食生活の習慣が変化したものと思われます。
  • 3つ目は、フッ素による虫歯予防です。市販されているほぼすべての歯磨き粉にフッ素(※)が配合されているため、無意識のうちに虫歯予防しているのです。

以上の理由から、20歳までの虫歯を減らすことには成功しましたが、問題もあります。それは、20歳以降の年代では虫歯は増えているということです。

※フッ素については注意が必要で、使用すれば必ず予防できるというわけではありません。フッ素の効果や、正しい使い方については今後ブログで紹介します。

■虫歯が減ったことで、予防の意識が希薄に

20代前半から徐々に虫歯が増えていく原因は、お口のケアの習慣化が確立していないことと、親元を離れ食生活などの生活習慣に変化が起こったことによるものと考えられます。

つまり20歳までは、周囲の環境のお陰もあって無意識的に予防が出来ていた故に、お口のケアへの意識が結果的に希薄になってしまったということです。

本来的には、子どもの時にかかる歯医者にて、20歳までにお口の中の病気について正しく知り、お口のケアの習慣化の確立をさせることが重要なのですが、そこまで至っていないのが現状です。

したがって、20代から環境が変わる時に予防を意識できるかどうかが、その後の大きな差に繋がります。

30代の歯医者の選び方

■30代に起こりやすい無自覚の虫歯や歯周病を回避するには

それまで歯医者で正しい予防の方法や知識を提供してもらえなかったからか、あまり虫歯になった経験がないために、「自分は歯が丈夫だ」と思い込んでいる人や、歯周病を知らない人が存在します。

実際に、20代までは、それまでの蓄積のお陰で大きな問題が起きづらいのですが、30代以降の患者さんは、ほぼ皆さん虫歯や歯周病があります。

初期の虫歯はしみる、痛いなどの症状がありません。また歯周病は Silent diseases(沈黙の病気)と言われており、重症化してもなお自覚症状がありません。そのため、気付いたら大きな虫歯・重症化した歯周病になっているケースがとても多くみられます。

無自覚のまま悪化していくのを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?
それは「予防」について真剣に考えている歯医者を選ぶことです。お口の健康の知識が豊富で、予防の習慣を身に付けさせてくれる歯医者です。

一般的に歯医者に行く時は、どうしても「予防」ではなく「治療」がメインになってしまうので、「予防」が大切だと思いながらも「治療」が終わるころには、「予防」についての意識は薄れてしまうものです。

また、とても残念なことに保険制度による制限もあるため、予防の提供を諦めている歯医者も少なくはありません。

それでも諦めずに、将来に向けて一緒に「予防」を取り組んでくれる歯医者を選びましょう。予防医療があまり進んでいなかった時代に生まれた30代以降の人たちにとって、このことが将来に大きく影響するからです。

お口の健康のことで、生涯困ることがないように歯医者選びは慎重に考えたいですね。

(歯科医師:中山俊太郎)

治療の成功率を意識したことはありますか?

治療の成功率を意識したことはありますか?

よく患者さんに「その治療はどのくらいもちますか?」と質問を受けることがあります。
そもそも、この質問は「治療が成功した時にどのくらいもつのか?」ということであり、患者さんは失敗することは想定していません。私たちは常に失敗を最小限にする努力を惜しみませんが、しかし、医療に絶対的なものはなく残念な結果になる場合もあります。

でも、安心してください。失敗したからと言って歯がなくなってしまうわけではありません。そこで今回は「治療の成功率」について考えていってみたいと思います。

治療の成功率は、アメリカと日本で大きな差が!

興味深いデータがあります。アメリカと日本での根(歯の神経部分)の治療の成功率についてです。
アメリカでは根の治療の成功率は約90%、日本では根の治療の成功率は約50%です。「え!50%!2本に1本は失敗ですか!そんな治療受けたくない!」誰もがそう思うことでしょう。
なぜ、これほどまでの差があるのでしょうか?

治療にかける技術、時間、回数、方法が成功率を左右する

アメリカでは基本、根の治療はそれの専門家が行います。日常的に根の治療のみしか行わないため、とても専門的で成功率も安定しているというわけです。治療回数は1~2回で、時間は奥歯なら約2時間。治療の成功率を上げるために万全な感染対策を行います。精密な治療ですから時間がかかります。また根の病気は感染症ですから、再感染しないように感染対策にも時間とコストをかけているわけです。ちなみに治療費は奥歯で約20~40万円です。
では日本はどうでしょうか?

根の治療は基本、どの歯科医師も行います。もちろん根の治療を専門・得意とする歯科医師もいますが、数は少ないのが現状です。また、儲からない、面倒な治療と認識している歯科医師が多く、根の治療を得意としない歯科医師や経験の少ない歯科医師に治療を任せるケースが非常に多いのが現状です。当然、治療の成功率を上げるために万全な感染対策を行うなどの技術はありません。また、日本の医療保険制度はかけた時間やコスト、治療方法の違いについての報酬はありません。アメリカと同じようにやっていては採算が取れないというわけです。安い材料を使い、最低限の設備・スタッフ構成・治療方法、さらに時間を短縮することで成り立っています。しかし「治療の質」は確保されるのでしょうか。それで治るのでしょうか?アメリカと日本の治療の成功率の差はそこにあるのです!治療費も奥歯の根の治療をすると約1万円とアメリカとでは20~40倍の差があります。

歯は削ると戻らない。治療の成功率は人生を左右する。

今回は根の治療についてお話してきましたが、これは虫歯の治療、歯周病の治療でも同じことが言えるわけです。
治療を成功させるためには、最善な治療方法、技術、時間、コストが不可欠です。定期的に治療が必要になる。定期健診の度に治療を繰り返すことになる。そんな経験はありませんか?歯は一度削ったり、神経を抜いたりしてしまうともとには戻りません。治療を繰り返すことで歯の寿命は短くなります。誰もが「ずっと健康でいたい」「生涯、自分の歯で食事がしたい」と思うのではないでしょうか?

治療の成功率はその後の人生に大きく影響します。
あなたが今通っている歯科医院はそこまで考えて治療してくれていますか?
治療の際には、慎重に考えなければならないですね。

(歯科医師:中山俊太郎)

ありがちな歯科医院の選び方の落とし穴とは

ありがちな歯科医院の選び方の落とし穴とは

あなたは歯科医院を選ぶ時、どの様にして選んでいますか?
「早い・安い・近い」
すぐみてくれる、保険がきく、便利なところにある。
これがよくある歯科医院選びのポイントではないでしょうか?
今回は、この選び方が本当に正しいのか、一緒に考えていってみたいと思います。

「早さ」と「雑さ」は隣り合わせ

仕事が忙しい。平日に休みが取れない。出来れば都合の良い時にすぐに見てくれて、治療もすぐに終わる方がありがたい。そんなふうに思うのではないでしょうか。確かに早いに越したことはありません。

しかし、精密な検査、的確な診断、十分な術前処置、精密な治療、これらの事を考えた時には「早い」は当てはまらない様に思います。たとえ早く治療が済んでもまたトラブルが起こるようでは困るのではないでしょうか。

「安い」は、機材や方法のクオリティに反映される

世界的にも日本の医療保険制度はとても優れていると言われています。確かに、誰もが安価で最低限の医療を受けることが出来るので困ったときには便利です。しかし歯科の場合、使用する材料や方法に制限があり術後にトラブルが多いのも事実です。一度削った歯は元には戻りませんし、治療を繰り返すことで歯が悪くなることもわかっています。

「安い」ということは誰にとってもとても魅力的ではありますが、結果的(将来的)に「安くない」ことになってしまうかもしれません。「健康」はお金では買えません。病気にならない様に「健康に投資する」という考え方が必要かもしれませんね。

「近さ」よりも、しっかりと治療・予防ができるかどうか

仕事場や家の近く、駅前に歯科医院があれば、困った時や通うにはとても便利です。しかし、近くの歯科医院が「あなたが望むこと」を提供してくれるかどうかはわかりません。

例えば、「詰め物が取れたのでとりあえずつけてほしい」という望みであればどこの歯科医院でも叶うかもしれません。ただ、またすぐに詰め物が取れたり、痛くなったり、最悪の場合歯がダメになったりする可能性は十分にあります。

「歯周病を治したい」「虫歯を治したい」こんな望みならどうでしょう。実は歯周病はとても厄介な病気で、治すのがとても難しいと言われています。また、虫歯と言っても簡単な治療からとても難しい治療まで様々です。近くの歯科医院では治らないかもしれません。

さらに「歯周病の予防をしたい」「虫歯の予防をしたい」このような望みでは難易度が上がります。また、基本的に「病気の予防」は日本の医療保険制度に組み込まれていません。

「予防」にはシステムが必要で、歯科医院に予防のシステムがなければ「予防」にはならないのです。

歯科医院を選ぶことは、自分の歯の未来を選ぶこと

「歯科医院は何処に行っても一緒じゃないのですか?」「何処の歯科医院に行っていいかわからない。」という話をよく聞きます。

確かに、歯科治療の技術的な良し悪しは判断しづらく、「歯科医は私のために最善を尽くしてくれるに違いない。」そう信じるしかないこともあるでしょう。しかし、制度による制限などを理由にそうでないこともあるのが現実です。

もし、無意識に「早い・安い・近い」で選んでいたら、一度立ち止まってみてください。歯科医院を選ぶことは、自分の歯の未来を選ぶこと、慎重に選びたいですね。

(歯科医師:中山俊太郎)