ありがちな歯科医院の選び方の落とし穴とは

あなたは歯科医院を選ぶ時、どの様にして選んでいますか?
「早い・安い・近い」
すぐみてくれる、保険がきく、便利なところにある。
これがよくある歯科医院選びのポイントではないでしょうか?
今回は、この選び方が本当に正しいのか、一緒に考えていってみたいと思います。

「早さ」と「雑さ」は隣り合わせ

仕事が忙しい。平日に休みが取れない。出来れば都合の良い時にすぐに見てくれて、治療もすぐに終わる方がありがたい。そんなふうに思うのではないでしょうか。確かに早いに越したことはありません。

しかし、精密な検査、的確な診断、十分な術前処置、精密な治療、これらの事を考えた時には「早い」は当てはまらない様に思います。たとえ早く治療が済んでもまたトラブルが起こるようでは困るのではないでしょうか。

「安い」は、機材や方法のクオリティに反映される

世界的にも日本の医療保険制度はとても優れていると言われています。確かに、誰もが安価で最低限の医療を受けることが出来るので困ったときには便利です。しかし歯科の場合、使用する材料や方法に制限があり術後にトラブルが多いのも事実です。一度削った歯は元には戻りませんし、治療を繰り返すことで歯が悪くなることもわかっています。

「安い」ということは誰にとってもとても魅力的ではありますが、結果的(将来的)に「安くない」ことになってしまうかもしれません。「健康」はお金では買えません。病気にならない様に「健康に投資する」という考え方が必要かもしれませんね。

「近さ」よりも、しっかりと治療・予防ができるかどうか

仕事場や家の近く、駅前に歯科医院があれば、困った時や通うにはとても便利です。しかし、近くの歯科医院が「あなたが望むこと」を提供してくれるかどうかはわかりません。

例えば、「詰め物が取れたのでとりあえずつけてほしい」という望みであればどこの歯科医院でも叶うかもしれません。ただ、またすぐに詰め物が取れたり、痛くなったり、最悪の場合歯がダメになったりする可能性は十分にあります。

「歯周病を治したい」「虫歯を治したい」こんな望みならどうでしょう。実は歯周病はとても厄介な病気で、治すのがとても難しいと言われています。また、虫歯と言っても簡単な治療からとても難しい治療まで様々です。近くの歯科医院では治らないかもしれません。

さらに「歯周病の予防をしたい」「虫歯の予防をしたい」このような望みでは難易度が上がります。また、基本的に「病気の予防」は日本の医療保険制度に組み込まれていません。

「予防」にはシステムが必要で、歯科医院に予防のシステムがなければ「予防」にはならないのです。

歯科医院を選ぶことは、自分の歯の未来を選ぶこと

「歯科医院は何処に行っても一緒じゃないのですか?」「何処の歯科医院に行っていいかわからない。」という話をよく聞きます。

確かに、歯科治療の技術的な良し悪しは判断しづらく、「歯科医は私のために最善を尽くしてくれるに違いない。」そう信じるしかないこともあるでしょう。しかし、制度による制限などを理由にそうでないこともあるのが現実です。

もし、無意識に「早い・安い・近い」で選んでいたら、一度立ち止まってみてください。歯科医院を選ぶことは、自分の歯の未来を選ぶこと、慎重に選びたいですね。

(歯科医師:中山俊太郎)